写真. 1 トラックへの積載状況
写真. 1 に 3 段積みのニラの積載状況を示したが,積載効 率を高めるため隙間のない荷積みとなっている.こうし た積載方法では冷風が循環不良になりやすい.積載前に 品温が充分に下がっていない場合,呼吸熱や外部温度に よって庫内温度が上昇することにつながる.大分から関
Tabl e 1 着荷調査結果 <京都青果>
2011/ 8/ 4 11: 00 京 果 予 冷 ‑ 有 密 封 包 装
密封包装ゴ ザ 目 + ゴ ザ 目 + 帯 ( ト ッ プ ) 温 度 29. 6 ℃
湿 度 60 %
品 温 24 ℃
中心品温 23 ℃
O2 CO2 O2 CO2 21 20. 7 0. 01 11. 7 10. 7 ‑ 22 20. 7 0. 01 7 11. 2 ‑ 23 20. 7 0. 01 12. 8 9. 8 ‑ 24 20. 7 0. 01 15 9. 5 ‑ 25 20. 7 0. 01 13. 2 9. 6 ‑ 26 20. 7 0. 01 13. 5 9. 9 ‑ 27 20. 7 0. 01 6. 1 11 ‑ 28 20. 7 0. 01 22. 5 0. 3 ‑ 29 20. 7 0. 01 3. 4 10. 7 ‑ 30 20. 7 0. 01 4 11. 3 ‑
京 果 予 冷 ‑ 有 開 放 包 装 温 度 29. 6 ℃
湿 度 60 %
品 温 24 ℃
中心品温 23 ℃ 京 果 予 冷 ‑ 無 密 封 包 装
密封包装ゴ ザ 目 + ゴ ザ 目 + 帯 ( ト ッ プ ) 温 度 29. 6 ℃
湿 度 60 %
品 温 24 ℃
中心品温 23 ℃
O2 CO2 O2 CO2 31 20. 7 0. 01 7. 8 10. 8 ‑ 32 20. 7 0. 01 12. 6 10. 1 ‑ 33 20. 7 0. 01 17. 7 8. 4 ‑ 34 20. 7 0. 01 16. 6 8. 9 ‑ 35 20. 7 0. 01 10. 2 10. 6 ‑ 36 20. 7 0. 01 14. 7 9. 4 ‑ 37 20. 7 0. 01 12 10. 2 ‑ 38 20. 7 0. 01 6. 2 11. 1 ‑ 39 20. 7 0. 01 6. 4 11. 4 ‑ 40 20. 7 0. 01 13. 6 10 ‑
京 果 予 冷 ‑ 無 開 放 包 装 温 度 29. 6 ℃
湿 度 60 %
品 温 24 ℃
中心品温 23 ℃ 箱 内
環 境 箱 内
結 露 備 考 備 考 1点 を 除 き MA に 移 行
全 て MA に 移 行
環 境 1 2 3 4 5 袋
結 露 1
2 3 4 5
1day 3day s
1day 3day s 予 冷
非 予 冷 袋 No.
No.
西に輸送される荷の温度変化を Fi g. 1 に示したが,真空 予冷後冷蔵庫に保管して 5℃程度に冷却されたニラがト ラック輸送中に昇温している.これは運送会社の温度設 定が 8℃基準であることや積載方式などに起因すると推 察されるが,ニラの品温を考慮すれば積載前 1 時間程度 の予備冷却や設定温度改善の必要がある.さらに積荷は 混載される場合がほとんどで,8℃の場合低温で黒変が起 こるオオバを混載するため,その適正温度に合わせたこ とからこの温度選択となっている.本来それぞれの適正 温度で庫内温度を設定するべきであるが,混載すること で最も低温耐性のない品目の基準温度となる.
Tabl e 2 着荷調査結果 <大阪中央青果>
2011/ 8/ 4 8: 00 大 阪 北 部 予 冷 ‑ 有 密 封 包 装
密封包装ゴ ザ 目 + ゴ ザ 目 + 帯 ( ト ッ プ )
温 度 28 ℃
湿 度 64 %
品 温 27 ℃
中心品温 23 ℃
O2 CO2 O2 CO2 1 20. 7 0. 01 20. 6 0. 2 + 2 20. 7 0. 01 20. 6 0. 2 + 3 20. 7 0. 01 13. 6 10. 6 ‑ 4 20. 7 0. 01 17. 7 9. 6 ‑ 5 20. 7 0. 01 8. 5 11. 6 ‑ 6 20. 7 0. 01 12. 2 10. 8 ‑ 7 20. 7 0. 01 15. 2 9. 7 ‑ 8 20. 7 0. 01 5. 6 12. 3 ‑ 9 20. 7 0. 01 12. 7 10. 9 ‑ 10 20. 7 0. 01 5. 6 12. 3 ‑
大 阪 北 部 予 冷 ‑ 有 開 放 包 装
温 度 28 ℃
湿 度 64 %
品 温 27 ℃
中心品温 23 ℃ 大 阪 北 部 予 冷 ‑ 無 密 封 包 装
密封包装ゴ ザ 目 + ゴ ザ 目 + 帯 ( ト ッ プ )
温 度 28 ℃
湿 度 64 %
品 温 27 ℃
中心品温 23 ℃
O2 CO2 O2 CO2 11 20. 7 0. 01 15 10 ‑ 12 20. 7 0. 01 14. 7 10. 2 ‑ 13 20. 7 0. 01 15. 8 9. 9 ‑ 14 20. 7 0. 01 7. 6 11. 1 ‑ 15 20. 7 0. 01 12. 6 6. 5 ± 16 20. 7 0. 01 5. 5 11. 7 ‑ 17 20. 7 0. 01 16. 1 9. 8 ‑ 18 20. 7 0. 01 15. 7 5 ‑ 19 20. 7 0. 01 6. 4 9. 5 ‑ 20 20. 7 0. 01 11. 3 10. 8 ‑
大 阪 北 部 予 冷 ‑ 無 開 放 包 装
温 度 28 ℃
湿 度 64 %
品 温 27 ℃
中心品温 23 ℃ 環 境
箱 内 2 3 4 5
備 考
備 考 MAになっ ていない ものほど 結露が著 しく、室 温下で結 露はさら に増加。
2点を除 きMAに移 行
概 ね MA 環 境 に 移 行 環 境
箱 内
袋 No.
1day 3day s
結 露 1
1 2 3 4 5
非 予 冷 予 冷
袋 No.
1day 3day s
結 露
基本は 5℃以下設定の輸送が望ましい.また運送会社と 適正温度について契約を交わす例も多く,鮮度保持上は 必要不可欠な措置である.
3. 2 着荷調査結果
着荷調査結果を Tabl e 1 及び Tabl e 2 に示した.
全ての卸売市場着荷ニラに黄化は認められなかったが,
選果段階での傷み葉の混入が認められた.
大阪中央青果で抜き取りした 20 袋のうち 2 袋は MA 条 件になっていなかったが,京都大阪を通じて抜き取り調 査を行った計 40 袋中 38 袋が MA 条件となっていた.
外観調査では処理の有無に関わらず 5 段階評価の 5 で あり,着荷時点での顕著な差は認められなかった.しか し,セリ後の流通で黄化などの変化が起こることが多く,
後で品質差が出るものと推察される.また,市場への着 荷後の変化を想定し,通常の取り扱いをした上で外観調 査を行う必要もある.この内 No. 1 及び No. 2 が MA 条件に 至らず大気並のガス組成となっていた.つまり密封化で きていないことを示した.MA 条件になっていないものは いわゆる結露も著しかったが,MA 条件のものは結露の程 度は弱かった. これは呼吸が活発になることによる.
MA 条件の水準としては,O
210%前後,CO
210%前後が良
好な条件と考えられるが,MA 条件となったものは,概ね この適性範囲にあった.この時点で 10%を下回る濃度の No. 5,No. 8,No. 10 はこのまま酸素濃度が下がれば酸欠
(無気呼吸)の恐れがあるが,調査時点では,品質的な 劣化様態は認められなかった.
3. 3 総合評価
3. 3. 1 フィルム包装の MA 化
写真. 2 テスト輸送ニラの外観(京都青果)
本試験では包装のシールをセンターシール=ゴザ目+
トップシール=密封で実施したが,外観及び内容ともに 良好であり(写真. 2),従来型のゴザ目シールのトップシ ールでも充分に鮮度保持効果を得ることが可能と考えら れた.また,高速包装 72 袋/分の処理であったが,気密 性も高く抜き取りによる MA 化率は 92. 5%と高い確率であ った.この速度はフィルムシールの確実性からは,やや 高速であり,シール強度を考慮すればその半分程度の速
度がより望ましいと考える.
OPP フィルムを逆ピロー型フィルム包装機で包装した 場合,密封シールであっても,ニラの厚みや根元のかさ 高の部分ではフィルムタグができやすいため,完全密封 はより困難である.このためこの部分の通気によって MA 条件になるものもあると考えられるが,密封化条件につ いてはさらに検討する必要がある.
3. 3. 2 トップシールの効果
開放包装に対するシールは,選果場段階でヒートシー ルしたものだが,一般的傾向として現状のゴザ目開放型 包装にトップシールすることで MA 化包装は可能と考え られた.但し,真空予冷方式は減圧で包装が破裂するた め,真空予冷装置は包装前にしか使用できないという問 題点が残る.
3. 3. 3 選 別
ニラ本体の劣化は認められなかったが,選果段階で混 入した切片や折れ片が変色していた.これは鮮度保持包 装とは別次元の課題であるが,包装システム全体の評価 を下げることになるため早急に改善する必要がある.選 果場の現状と着荷したニラの状況をみると,選果ライン での不備による劣化葉の混入が認められた.特に出荷量 の増大に伴って単位時間当たりの選別速度が早くなる傾 向にあるため,大量生産の生産者ほど傷んだ製品が出る 可能性がある.この問題を解決しなければ生産規模の拡 大がマイナスに働く可能性がある.
3. 3. 4 ニラの結束
ニラの結束は,写真. 3 のように 110g 程度を目標にま とめて調製されるがテープ結束と輪ゴムによる結束が行 われている.この方式に関して注意すべき点は,処理の 前後にある.切断後のニラはカット野菜であり,品質劣 化に対してはカット野菜並の注意を要する.比較的高い 温度で流通した場合,包装内は高温多湿となりカット面 は栄養分の豊富な細菌増殖に好適条件となる.このため 結束調整後は極力微生物汚染を視野に入れた取り扱いを すべきである.特に輪ゴム結束では結束後に切断面をテ ーブルなど固い板状のものに落として揃えるが,これは
写真. 3 テープ結束したニラ(大分市戸次選果場)
汚染に加え切断部の細胞をさらに傷めて微生物変敗を助 長する恐れがある.さらに大束を処理する際に上下を反 転することが多く,この作業の中でテーブルに打ち付け て折れを生じやすい.折れの部分の細胞が傷んでいるた め,流通過程で腐敗や黄化の原因となる.特に大量のニ ラを連続的に処理する場合にこうしたことが行われる傾 向にあり,大規模生産者ほど汚染が著しいということに つながるため,テープ結束と輪ゴム結束はその前後のニ ラの束の取り扱いから検討する必要がある.
輪ゴムの場合,結束後に束から傷害ニラを除去する場 合があるが,その際も切断部を打ち付けて束を揃えるた め,余分な作業を避けるためにもテープ結束が望ましい.
輪ゴムは規格によってサイズに違いがあり,締め付け 強度が異なる上,ニラも同じ重量であっても収穫時期に よって束の径が異なる.従ってゴムによる締め付け強度 が異なることになる.締め付け強度が強い場合には,最 外部のニラはゴムによって圧迫されて細胞が傷つけられ 腐敗を誘発する.
テープ結束は通常のバッグシーラーで結束後,切断す るため切断面が揃うため結束後にテーブル等に打ち付け て揃える必要がない.現在は,輪ゴムとテープ結束が混 在しており,統一ブランドとしての商品性に統一を欠く 上,鮮度保持上の問題点も考慮されるべきである.
3. 3. 5 先折れ
先が折れ曲がったもの(写真. 4)が高い頻度で認めら れた.折れ曲がりには,これまでの調査で真空予冷によ る過度の蒸散や箱入れの際の折り曲げ,選果ラインでの
写真. 4 ニラの先折れ(大分市戸次選果場)
折れ曲がり等があることが判明しているが,この折れ曲 がりは,選果場への持ち込み段階で認められたものであ る.真空予冷や調製作業の段階でも生じやすいものだが 栽培上の課題であれば,早急な栽培技術対策が必要と考 えられた.
3. 3. 6 ハンカチ包装
卸売市場の着荷調査の過程で,段ボール包装とフィル ム包装の個包装に加えて,ポリスチレンなどの内袋で 2 重被覆する他県の例が見られた(写真. 5).こうした被覆 は,付加的なコストがかかるものの,段ボールの開口部 による高温化をカバーし,個包装を被覆することによっ て高炭酸ガス,低酸素環境を作り出すものである.
本県のニラ用の段ボールには大きな開口部が設けられ ており,個包装も開口包装のため外部温度の影響を受け やすい.したがってこうした工夫を積極的に取り入れる 必要があると考えられた.
写真. 5 段ボールと内部包装例(大阪中央青果)